大山病院は平成5年6月、私の生まれ故郷の兵庫県多可郡黒田庄町（現在：西脇市黒田庄町）田高に急性期を担う55床の個人病院として開院しました。その3年後に介護保険サービス開始の必要性から、医療法人社団に組織変更しました。開院当初から24時間365日「断らない医療」を合言葉とした救急医療体制や、住み慣れた地域で安全に安心して暮らし続けることを支える介護保険サービス事業に取り組み、地域に必要不可欠な中核病院のひとつになりました。

　また正峰会では早くから財務内容を職員にも公開するなど、透明性の高い病院経営を実践してきました。その実績と、時間外の夜間等救急車受け入れの実績を評価され、平成27年には県内5番目に社会医療法人の認可をいただきました。そして病院開院25周年を迎えた平成30年6月には、病院名を大山病院から大山記念病院に変更いたしました。

　この25年間には社会情勢や医療事情の大変動があり、大山病院にも数限りないさまざまな困難がありました。著しく人口が減少し、また公的病院が多いこの地域で、私どものような民間病院には高い医療の質を保ちながら経営の効率化を図ることが求められ、病院運営のかじ取りは難しいことでした。しかしこうして25周年の節目を迎えられたのは、行政、医師会、地域の方々など当院に関わってくださったすべての方々のお力添えの賜物とありがたく感謝を申し上げます。また経営者として経験の浅い未熟な私に信頼を寄せ、患者さまのためならばと、自らの生活をも顧みず職務に献身的に精励してくれた職員の皆さまに、心より深謝の意を表します。

　大山病院の病院運営に始まり、超高齢少子社会に対応するため、正峰会グループとして在宅医療や施設サービス事業、生活支援サービスを展開してまいりました。一昨年には障がい者就労支援のNPO法人が加わりました。わずか38名で始まった大山病院ですが、今は正峰会グループとして77事業所、職員数1,941名（令和3年4月1日現在）を数えています。